源氏五十四帖 第22帖 玉鬘
源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。
源氏は、年月を経ても夕顔のことが忘れられませんでした。かつての夕顔の侍女右近は、あの時以来、源氏の邸で紫上に仕えていました。
夕顔が行方不明になった後、夕顔の一人娘の玉鬘は夕顔の乳母に伴われて遠く筑紫の国へ下り、その後、二十才になるまで九州の片田舎で暮していました。玉鬘の美貌は遠近の評判になり、肥後国の大夫の監という武士から結婚を申しこんで来たけれど、玉鬘は気が進みません。拒絶した後の災難を恐れ、乳母、その子の豊後介、末娘の兵部君などに護られながら、夜陰に乗じ肥前の国から海路都へと出奔しました。
無事都へ着いて、九係あたりの知人の宅に一時身を寄せたが、生活の目途もつかないので、開運の祈願に大和の長谷寺へ参詣しました。一方、右近の方でも玉鬘の行方を探し求め、長谷寺観音に祈願のため参詣しました。この両者は、遇然にも長谷の宿含で選近し互いの無事と奇縁を喜びあったそうです。
右近は、帰京後このことを源氏に告げると、源氏は非常に喜び、紫上にも事情をうち明けて、玉鬘を六条院に引きとることにした。
その年の秋九月、玉鬘を五族にある右近の里に住まわせ、準備を整えた後、十月頃に六条院の花散里の住む邸内の西の対に玉鬘を迎えました。心ときめく思いで玉鬘に対面した源氏は、花やかで清く美しく成人した様子に、限りない満足を覚え誠実な豊後介は、源氏の家司となって玉鬘に仕える幸福を得ました。
源氏五十四帖
海老名正夫原画
製作32年
技法 木版画
サイズ 33×23.5
マットサイズ
額装サイズ
¥4,400価格
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第22帖 玉鬘
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